【研究報告】
長期留置型カテーテル挿入患者の自己管理への思い
長尾 佳代
1
,
中谷 美子
1
1高松赤十字病院腎センター
pp.86-89
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100350
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Ⅰ.はじめに
血液透析患者は安定して長く治療を受けることができるように,日々の生活のなかで自己管理による努力を行っている.医療者は患者の合併症を予防し,安定した安楽な透析の提供を心がけている.しかし,高齢化や長期透析患者の増加に伴って,さまざまな合併症が出現している.施設内の外来通院中の患者が心不全の合併症によりシャント作成ができず,心臓の負荷を軽減するために長期留置型カテーテル〔Tesio twin catheter(以下,長期カテーテルと略す)〕を留置して透析治療を継続している例もある1).長期カテーテル挿入患者は,シャント管理とは異なったカテーテルの自己管理が求められている.個々の患者に合った自己管理の方法をすすめるには,患者のニーズを満たし,患者の生活パターンに合った医療者からの一方向の指導だけではなく,患者の能力を引き出し,協働するケアの実施が重要である.
長期カテーテル挿入患者のカテーテル操作や感染については報告されている.しかし,長期カテーテルを挿入した患者の体験世界について「日常における実際の生活」2)に注目した研究は見当たらなかった.医療者が自己管理しながら通院する患者の長期カテーテルへの思いを知ることによって,患者自身に添ったケアができると考えられる.そこで,今後も増加が予測される長期カテーテルを挿入している患者の,日常における自己管理の内容を分析することにより,患者に適切な指導ができると考え,調査を行った.
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