【調査報告】
1.血液透析患者の穿刺時における痛み
石井 俊行
1
1福山平成大学看護学部
pp.71-74
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100313
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緒言
痛みは,人類に共通した現象である.また痛みによる苦しみは,本人にしかわからない.ナイチンゲールは,「病人は身体的苦痛と同様に精神的な苦痛によっても非常に苦しめられている」と述べている1).看護実践においては,精神的苦痛より,身体的苦痛への軽減を目的に介入が行われることが多い.看護師は対象者の身体的痛みの軽減に向けて痛みのアセスメントを行い,患者を理解し,痛みの軽減につながる介入ができるように援助していかなければならない.
慢性腎不全にて血液透析(以下,HDと略す)を行っている患者は,自己血管または人工血管にて内シャント造設を行っている.週3回のHDごとに16~18ゲージの太い針による内シャント部穿刺による血管損傷,修復行為が繰り返されることが常に生じている.穿刺時の痛みが強いときには血管痛が治療終了後も数時間続くことが多く,家事,余暇活動ができないことにつながる.HD開始前に「今日は失敗せず,痛くないようにすみますように」と,穿刺に対して不安をいだいている患者は多い.穿刺による失敗を少なくしてシャントを良好に保つことは,患者のQOLを向上させて,長期生存を可能にすることからも重要である.
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