増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説
付録 教科書には書いていない採血のコツ
痛みを最小限にする穿刺法
杤尾 人司
1
1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
pp.372
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207944
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採血は,臨床検査技師が行う業務のなかで唯一,患者に観血的な痛みを与えなければならない特殊な業務である.体に針を刺すため,当然のことながら大なり小なり痛みが生じる.これを患者に与えながら業務することに嫌悪感を抱いている採血者は多いだろう.たとえ無難に採血できたとしても,患者には強い痛みを与えていたかもしれず,できれば,痛みは最小限にしたいといつも思っている.
今回は,痛みを軽減するためのコツについて述べてみたい.しかしながら,提示するコツは採血成功のためのコツと裏腹の関係にあり,「標準採血法ガイドライン(GP4-A3)」1)をしっかり理解したうえで,失敗することはまずないと判断される太い血管のみに対して行ってもよい手技であることを付け加えておく.
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