【事例報告】
末期癌患者の一症例を通して透析時の看護を考える
尾副 節子
1
,
岩井 典子
1
1大阪府立病院人工透析室
pp.83-86
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100160
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はじめに
全身浮腫・けいれんを起こし来院され,尿毒症状態で緊急透析となり,さらに膀胱癌の骨盤内転移と診断され手術を受けたA氏が,癌の再発・転移により末期状態となり,サテライトより病院に転院し透析治療を続けるとき,透析室スタッフがA氏へどのようにかかわっていけばよいのか戸惑った.末期癌患者が病院で死を迎える割合は90%以上といわれている1).在宅ホスピス医である内藤は,「身体の痛みを最大限取り除き,その人にとって自然な姿,環境を整えることが,その人らしさを保てる」と言っている.私たちは,病院内の透析室という環境のなかで,A氏にA氏らしさを保てるようにできないかと考え,看護させていただいた.ここにその看護の実際を報告する.
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