焦点 Burnout
研究
Burnoutに導く職場の心理的・対人的要因の根源—事例・面接・観察法をとおして
稲岡 文昭
1
1日本赤十字看護大学
pp.173-179
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200966
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国における看護者のBurnoutに関する研究は,Burnoutに導く要因や職場環境との関連1-2),Burnoutとエゴグラムで示される看護婦の個人的特性との関連3),ICUの職場環境と看護婦の心身の健康状態との関連4),看護職にみられるBurnoutとMotivationとの関連5),看護婦のBurnoutとMotivationに対する仕事のストレスとSocial Supportの影響6)など,多くの看護研究者により多角的に取り組まれてきている。これらの研究結果から,稲岡ら1)は看護者のケァ意欲喪失に直接影響を及ぼすと思われる要因は,「職場にははつらつとして働く雰囲気がない」「現在の職場は自分の能力が発揮できず,また存在価値も認められていない」「上司とスタッフ間,あるいは看護婦間で相互信頼や相互支持がない,チームワークがとれていない」など,職場の心理的・対人的要因であると指摘している(図1参照)。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.