焦点 Burnout
レポート
看護者のBurnoutとエゴグラムに示される個人特性との関連
松田 久美子
1
1東京厚生年金看護専門学校
pp.181-188
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200967
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1980年前後から,看護者のBurnoutが注目され,影響を及ぼす要因について多角的に研究が行なわれている。その中で職場のストレスや社会的環境,行動特性などについてBurnoutとの関連が明らかにされてきている1-4)。また,ストレスに対する反応は個人により異なることから,看護者個人の特性も関与するといわれるが,その関連についての研究はまだ数少ない。
当研究では,個人特性を一般論の記述ではなく,交流分析の一手法であるエゴグラムを用いて客観的,定量的にとらえてみた。エゴグラムは心のプロフィールともいわれ,現実の自我状態に注がれる心的エネルギーをチェックリストで定量化して,グラフに表現したものである。自我状態とは,交流分析の創始者であるバーン・E.によれば,「思考,感情,さらにはそれらに関連した一連の行動様式を統合した1つのシステム」5)であり,ふつう,それに結びついた行動を伴う6)。エゴグラムは,その人のもつ心の構えを,行動様式の特徴から探っていくものである。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.