【日本腎不全看護学会発足にあたって】
研究,技能の向上,開発の場になることを期待/第1回日本腎不全看護学会学術集会によせて/学会の成果の反映を/慢性の障害をもつ患者さんのために互いに協力を/患者の社会的自立の支援を/実践的な実り多い研究を期待
川口 良人
1
,
黒川 清
2
,
見藤 隆子
3
,
野口 美和子
4
,
佐藤 禮子
5
,
川村 佐和子
6
1日本透析医学会
2日本腎臓学会
3日本看護協会
4日本糖尿病教育・看護学会
5日本がん看護学会
6日本難病看護学会
pp.5-7
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100002
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- 文献概要
研究,技能の向上,開発の場になることを期待
川口 良人(日本透析医学会理事長)
腎不全医療は,医師,看護婦(士),臨床工学士(透析技術士),栄養士,薬剤師,ケース・ワーカー,事務職員との共同作業で実施される代表的な医療であります.医療の現場で患者に接する時間の最も多いのが看護婦(士)であります.したがって,腎不全医療における看護婦(士)は医療チームの中のkey personであるといえましょう.一般に看護婦(士)には「癒す心」とともに「科学的な論理に基づいた看護技能」が要求されるのですが,透析に従事している看護婦(士)にはさらに専門的知識と基本的腎不全医療技術が要求されます.
医師は,内科学会,外科学会,泌尿器科学会などの認定医を取得した後のsubspecialityとして透析医学会の認定医制度により一定の経験(技能)と知識の取得の道が確立されています.透析技術士は臨床工学士の国家資格取得後の実務経験と高度で,かつ広範囲な知識を求められる試験をクリアーすることで一定の水準の能力が保証されています.しかし腎不全医療に従事している看護婦(士)の技能と知識が一定の水準に到達していることを保証する制度はありません.かつては看護婦(士)の資格の上にさらに資格を作らない方針のようでしたが,現在はより高度の専門的知識と技能が求められている時代です.実際に感染症,救急,悪性腫瘍ではその専門看護の確立が進められています.
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