【理事長あいさつ】
第1回日本腎不全看護学会学術集会総会を迎えて
宇田 有希
pp.4
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100001
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1998年4月1日,念願の学会設立を果たすことができましたことは,誠に感慨深いものがあります.1976年11月,日本透析看護研究会として発足し,1986年に日本腎不全看護研究会と名称変更し,この22年間,専門性の確立を目標に活動してまいりました.当初から専門看護婦としての資格づけを希望する会員の意見はあったものの,とりあえず啓蒙活動を中心に,施設加入を主体とした組織で運営してきました.近年,看護職における専門分化の傾向が顕著となり,腎不全看護領域においても海外の学会との交流が深まるにつれて,施設加入制度のもつ限界や問題点が明らかになるなど,1人1人の専門職としての意識化こそ最重要課題であり,欧米の学会と対等に活動するためには,ぜひとも個人加入へ移行することが必要との認識のもとに改革を検討してまいりました.国の医療費抑制政策は今後も厳しさを増すことと思われますが,その影響を受けるのは患者さんです.ケアの質を保証するためには,なんとしても専門看護婦がかかわる前提でその質を維持しなければならないと考えます.そのために,学会としては,第1に学会としての教育プログラムを策定し実施すること,第2に専門看護婦としての認定に取り組みたいと考えております.前途多難なことは十分予測されますが,チーム医療における看護職として責任をもって役割遂行できる人材の確保は急務であります.他職種の方々と連携しつつ,実現にむけて努力してまいりたいと存じます.会員ならびに関連する諸団体のみなさまのご協力を心からお願い申し上げ,ご挨拶といたします.
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