Japanese
English
研究報告
インスリン療法に関するインシデント・アクシデントの内容—全国実態調査の自由記載欄の内容から—
Variety of insulin errors on the basis of open ended answers on the national survey
清水 安子
1
,
大原 裕子
2
,
米田 昭子
3
,
森 小律恵
4
,
瀬戸 奈津子
1
,
黒田 久美子
5
,
西垣 昌和
6
,
宮武 曜子
7
,
数間 恵子
8
,
正木 治恵
5
Yasuko Shimizu
1
,
Yuko Ohara
2
,
Akiko Yoneda
3
,
Kozue Mori
4
,
Natsuko Seto
1
,
Kumiko Kuroda
5
,
Masakazu Nishigaki
6
,
Yoko Miyatake
7
,
Keiko Kazuma
8
,
Harue Masaki
5
1大阪大学大学院医学系研究科
2千葉大学大学院看護学研究科博士後期課程
3山梨県立大学看護学部
4公益社団法人日本看護協会看護研修学校
5千葉大学大学院看護学研究科
6京都大学大学院医学系研究科
7元高知県立大学看護学部
8元東京大学大学院
1Osaka University Graduate School of Medicine
2Chiba University Graduate School of Nursing, Doctoral Program in Nursing
3Yamanashi Prefecture University Faculty of Nursing
4Institute for Graduate Nurses, Japan Nursing Association
5Chiba University Graduate School of Nursing
6Graduate School of Medicine, Kyoto University
7former Faculty of Nursing, University of Kochi
8former Faculty of Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
キーワード:
インシデント
,
エラー
,
インスリン
,
安全管理
,
糖尿病
Keyword:
インシデント
,
エラー
,
インスリン
,
安全管理
,
糖尿病
pp.151-159
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
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【目的】インスリン療法に関するインシデント・アクシデント実態調査の自由記載欄の内容を整理し,具体的なエラーの状況を明らかにすること.
【方法】200床以上の病院で研究協力の承諾が得られた192施設に調査票を郵送し,病院全体のインシデント・アクシデント報告を3か月分返送してもらった.自由記載欄に記述された内容を分析した.
【結果】自由記載には調査項目として設定されたもの以外に,①指示・準備段階では,「一時追加指示・指示変更の見落とし」「指示内容の誤解」「血糖測定の未実施」などが,②実施段階では,「他の人のインスリンを注射」「期限切れのインスリンを注射」などが,③実施後確認・保管の段階では,「不適切な低血糖への対処」「インスリン注射後,食事せず」などがあった.
【考察】インスリン治療の特徴として, ①インスリンの種類や量が多様で変更されやすいこと, ②インスリン投与方法・器具の操作方法が多様なこと, ③インスリン療法が食事や血糖の状態に影響を受けやすいこと, ④自己注射できることがあり,これらに起因するエラーから,それを踏まえたエラー防止対策の必要性が示唆された.
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