今月の主題 検査室におけるインシデント・アクシデント
各論
血液検査・化学検査・免疫検査などにおけるインシデント・アクシデント
山本 慶和
1
Yoshikazu YAMAMOTO
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
キーワード:
インシデント
,
個別データ保証
,
患者安全・安心
,
信頼関係
Keyword:
インシデント
,
個別データ保証
,
患者安全・安心
,
信頼関係
pp.433-441
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100074
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今日の診療現場ではその日の検査データに基づく診療が定着しつつあり,検査データの迅速性,正確性の要望は高まっている.診療は一人ひとり個別であり,検査データを提供する側はその一人ひとりのデータについて迅速性をもって正確性と信頼性を保証することは容易ではない.インシデント報告は犯人探しではなく,インシデント事例情報を共有し,事故の防止策を講じ,事故を減少させることが基本的姿勢である.また,直接患者と接する場面では検査室の信頼性および患者の安全・安心を配慮した対応が必要である.検査過誤を未然に防止するための個別データ保証の管理方法には極端値チェック,項目間相関性チェック,デルタチェック,CDCチェックなどがある.血小板の異常値の検出に前回値チェック方法を用い極異常値速報する応用例が示すごとく,個別データ保証の管理は過誤の検出と病態異常の検出と表裏の関係にあることを示した.異常値の疑いが生じた時には臨床に連絡を取って確認し合える信頼関係を築くことが,臨床検査技師に求められている.〔臨床検査50:433-441,2006〕
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