Japanese
English
研究報告
壮年期における糖尿病腎症患者のセルフケア行動,セルフケア能力,看護師の支援に関する研究
Study on Self-care Behavior, Self-care Agency and Support by Nurses in Middle-Aged Patients with Diabetic Nephropathy
佐藤 秩曜子
1
,
中村 小百合
2
Chiyoko Satou
1
,
Sayuri Nakamura
2
1藤田保健衛生大学病院
2藤田保健衛生大学医療科学部
1Fujita Health University Hospital
2Fujita Health University School of Health Sciences
キーワード:
糖尿病腎症患者
,
セルフケア行動
,
セルフケア能力
,
看護師の支援
Keyword:
糖尿病腎症患者
,
セルフケア行動
,
セルフケア能力
,
看護師の支援
pp.15-23
発行日 2014年3月31日
Published Date 2014/3/31
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本研究では,糖尿病腎症患者のセルフケア行動の実態を把握し,セルフケア能力との関連を検討する.さらに,セルフケア行動に対する看護師の支援状況を明らかにすることを目的とした.内分泌・代謝内科及び腎臓内科に通院する壮年期の糖尿病腎症患者のうち早期腎症期から腎不全期までの133名を対象とし,質問紙調査法にてセルフケア行動,セルフケア能力およびセルフケア行動に対する看護師の支援の有無を調査した.
その結果,セルフケア行動は,腎不全期で食事療法の遵守や食事量の調整が実施されていた.腎症に対する蛋白質の制限やカリウムの調整では,顕性腎症期におけるセルフケアおよび看護師の支援は十分ではなく,今後の課題である.運動の調整では,全病期で低く,医師に相談して体力の維持を行う必要がある.セルフケア行動には年齢,栄養士による食事指導,成功体験,病期,セルフケア能力と関連していたことから,壮年期にある患者の背景およびセルフケア能力を把握し,支援することが重要である.セルフケア能力は,腎不全期で高く,透析を避けたいという意識が働いている可能性があると考えられる.進行予防に留意した食品に関しては,顕性腎症期での看護師の指導があまりなされておらず,腎不全期になり指導されている傾向にあった.その為,進行予防の観点から看護師は,早期腎症期あるいは顕性腎症期より患者へ腎症の自覚を促し,セルフケア行動につなげる必要があることが示唆された.
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