Japanese
English
研究報告
糖尿病腎症初期患者の診断時における身体の捉え方の様相
Self-perception of physical state in patients in the initial stage of diabetic nephropathy when diagnosed.
辻口 彩乃
1
,
稲垣 美智子
2
,
多崎 恵子
2
,
藤田 結香里
3
Ayano Tsujiguchi
1
,
Michiko Inagaki
2
,
Keiko Tasaki
2
,
Yukari Fujita
3
1金沢大学附属病院看護部
2金沢大学医薬保健研究域保健学系
3金沢大学大学院医学系研究科
1Kanazawa University Hospital
2Faculty of Health Sciences, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University
3Division of Health Sciences Kanazawa University Graduate School of Medical Science
キーワード:
糖尿病腎症初期
,
診断
,
糖尿病合併症
,
身体認識
Keyword:
糖尿病腎症初期
,
診断
,
糖尿病合併症
,
身体認識
pp.125-132
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
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糖尿病腎症初期患者の診断時における身体の捉え方を明らかにすることを目的に,研究参加者17名に半構成的面接を行い,分析を行った.その結果,【診断と実体との間に違和感を覚える】ことで身体に関心が向き,コアカテゴリー《もちこたえている身体を感じる》に始まり,この強弱により2つに分岐するプロセスで説明された.この程度が“強い”場合,【一生透析する身体や生活に不安をもち】,【糖尿病からは逃れられない】ことを再認識し,【今は腎症であることを遠ざけたい】と思い,【身体像に腎症を重ねて実体をあいまいにする】.そして,【これ以上悪くさえならなければそれでいいと思い】,【できそうな療養行動を意識する】に至っていた.
一方,程度が“弱い”場合は,【知識に裏付けされた合併症のイメージをもつ】.そして,【身体像に腎症初期を加えて実体を理解し】,【今の実体を維持できるのではないかと思い】,【療養行動を構想する】に至っていた.
以上より,身体の捉え方に合わせた支援を行うことが療養行動の遵守に繋がる可能性があることが示唆された.
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