Japanese
English
研究報告
看護師が認識する介護施設で生活する糖尿病をもつ後期高齢者のセルフケアの問題
Issues recognized by nurses at nursing homes concerning self-care of late-stage elderly diabetic patients
麻生 佳愛
1
,
内海 香子
2
,
磯見 智恵
3
,
大湾 明美
4
,
小野 幸子
5
,
野口 美和子
4
Kawai Asou
1
,
Kyoko Uchiumi
2
,
Chie Isomi
3
,
Akemi Ohwan
4
,
Sachiko Ono
5
,
Miwako Noguchi
4
1福井大学医学部看護学科
2獨協医科大学
3京都橘大学
4沖縄県立看護大学
5宮城大学
1University of Fukui, Faculty of Medical Sciences, School of Nursing
2Dokkyo Medical University, School of Nursing
3Kyoto Tachibana University, School of Nursing
4Okinawa Prefectural College of Nursing
5Miyagi University, School of Nursing
キーワード:
糖尿病
,
セルフケア
,
後期高齢者
,
高齢者介護施設
Keyword:
糖尿病
,
セルフケア
,
後期高齢者
,
高齢者介護施設
pp.133-141
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
本研究の目的は,介護施設に勤務する看護師の認識から,介護施設における糖尿病をもつ後期高齢者のセルフケアの問題を明らかにすることである.調査対象は,高齢者介護施設に勤務し,糖尿病をもつ後期高齢者の看護経験がある看護師8名.半構成的面接法によりデータ収集し質的帰納的に分析した.その結果,セルフケアの問題として,【認知症のため糖尿病治療に対して拒否行為がある】等10の糖尿病をもつ後期高齢者の問題,【入所中に糖尿病のセルフケアに関して家族の協力が得られない】等2つの家族の問題,【看護師に求められる知識の範囲が広く,看護師の糖尿病に関する専門知識が不足している】等4つの看護師の問題,【医療依存度の高い入所者が増えているにも関わらず受け入れ体制が整っていない】等10の施設・管理にかかわる問題状況が抽出された.
以上の結果より,介護施設で生活する糖尿病をもつ後期高齢者のセルフケアにおいては,糖尿病をもつ後期高齢者,家族,看護師,施設・管理の問題が相互に関連して出現していると考えられた.そのため,連携体制の良否が安全にセルフケアを支援する上での鍵となり,医療と福祉の連携を基盤とした支援体制構築の必要性が示唆された.
Copyright © 2012, Japan Academy of Diabetes Education and Nursing. All rights reserved.