Japanese
English
研究報告
2型糖尿病患者の初期教育とその後の療養体験
Experience of initial education and subsequent recuperation for type-2 diabetes patients
髙橋 慧
1
,
稲垣 美智子
2
,
多崎 恵子
2
,
松井 希代子
2
,
村角 直子
3
Kei Takahashi
1
,
Michiko Inagaki
2
,
Keiko Tasaki
2
,
Kiyoko Matsui
2
,
Naoko Murakado
3
1新潟大学医歯学総合病院
2金沢大学医薬保健研究域保健学系
3金沢医科大学看護学部
1Niigata University Medical & Dental Hospital
2Faculty of Health Sciences, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University
3School of Nursing, Kanazawa Medical University
キーワード:
2型糖尿病
,
初期教育
,
体験
,
食生活
,
療養行動
Keyword:
2型糖尿病
,
初期教育
,
体験
,
食生活
,
療養行動
pp.183-192
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
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本研究は,2型糖尿病患者の初期教育とその後の療養体験を明らかにすることを目的とした,質的因子探索研究である.対象は外来通院する2型糖尿病患者13名で,グラウンデッド・セオリー・アプローチ法を用いて分析した.
その結果,初期教育とその後の療養体験は《自分に糖尿病があることが観念的にわかる》をコアとした2つのプロセスを持つ構造で説明できた.一方は【糖尿病になる食生活をしていたと解釈する】ことで【食を基本に生活を直すことに焦点を絞る】とし【不十分さを感じながら療養している】に至るプロセスであり,他方は【インパクトのある体験から自分の身体を確認する】ことで【療養していく心構えができる】【糖尿病が自分の中に落ち着く】とし【自信を持って療養している】に至るプロセスであった.また,2つのプロセスは初期教育期間の意味づけの仕方に影響していた.
以上より,初期教育は《自分に糖尿病があることが観念的にわかる》を基にし,患者にとってのインパクトのある体験を作り,患者が初期教育体験を明瞭に意味づける方法が重要であると示唆された.
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