連載 かかわるチカラ―糖尿病療養指導の現場学・8
社会の壁に立ち向かう患者を援助する
東 めぐみ
1
Megumi Higashi
1
1駿河台日本大学病院
pp.982-986
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101350
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事例 糖尿病で人生を楽しめないと感じるれい子さん
結婚を考えたこともあったが,健康ではないから先に進めない
れい子さんは20代後半の女性.生活相談には2~3か月おきに4年,通っている.10代で2型糖尿病を発症した後,拒食と過食を繰り返してきた.身長155cm,体重99kgで,HbA1cは6.3%.自分では「精一杯やっているが,血糖値が高い」と感じている.うつ病があり,精神科医と臨床心理士によるカウンセリングを定期的に受けている.
糖尿病の治療は超速効型インスリン3回,中間型1回の4回法を行なっており,「いつもインスリンと薬に振り回されている気がするし,食事が楽しいとは思えない」とうつむき加減に話す.医師から体重を減らすように言われるのがストレスであり,体重が増えたのは「インスリンを打っているから仕方ない」と思っている.調理師をしていたが今は無職である.「結婚を考えたこともあったが,糖尿病で健康ではないから先に進めない」と話す.
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