Japanese
English
日本看護倫理学会第10回年次大会 講演Ⅰ
日々の実践に注ぐ倫理の眼
Ethical perspectives on everyday nursing practice
小西 恵美子
1,2
1長野県看護大学
2鹿児島大学医学部
pp.107-108
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
1 .はじめに
日々の看護は、一見平凡である。だが、掘り下げればそこに倫理がある。「私達は、日常の、日々の倫理にもっと目を向けることが必要と思います。日々の倫理の中で、看護師と患者、その家族は、決して派手ではないけれど、『ネオン倫理』にみられるのと同じくらい大切な意思決定に直面しているのです」と述べられたのは本学会第9回大会の招聘講演者Christine Mitchell氏であった1。状況の奥や背景を掘り下げ、考えていく道筋の案内役が倫理のアプローチで、そのもとは倫理理論である。それには、徳倫理、原則に基づく倫理、ケア倫理をはじめ、数多くある。このように、倫理のアプローチが色々あるということは、現在の複雑な医療・看護においては、一つのアプローチだけを拠り所にするのではなく、多面的なアプローチによってよいゴールにゆきつくことが大事である、ということであろう。
本稿では、日々の実践でしばしば直面するひとつの状況を、原則、徳、およびケア倫理の3つの異なる眼で見たケーススタディーをとりあげる。関連して、Trontoによるケア倫理について若干の言及をする。
Copyright © 2018, The Japan Nursing Ethics Associatin. All rights reserved.