◆特集 介護老人保健施設における作業療法—OTのジレンマを考える
介護老人保健施設における作業療法—「リハビリテーション実施計画書」の視点から考える
土井 勝幸
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1介護老人保健施設せんだんの丘
pp.574-579
発行日 2005年12月15日
Published Date 2005/12/15
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はじめに
老人保健施設は昭和62(1987)年にモデル事業としてスタートし,当初より中間施設,通過施設として,在宅生活への橋渡しをすることがその役割として期待されてきた.その役割を果たすために,リハビリテーション専門職として作業療法士(以下,OT),理学療法士(以下,PT)を必置の人員配置とし,利用者の自立支援をリハビリテーションの視点から促すことを求められてきたのである.
しかし,介護保険施行後も含め約18年間の(介護)老人保健施設における取り組みで,OTはこの期待に対して人材の輩出・育成等も含め,どのように貢献してきたのであろうか?中間施設としての役割を果たすために,利用者の自立支援を促すリハビリテーション専門職種として,確実な効果を示してきたであろうか?OTとして,具体的な方法論を持って作業療法を展開してきたのであろうか?少し考えただけでも多くの課題が浮かんでくる.実はここが,今回の特集のテーマの副題である,“OTのジレンマ”という表現につながったのではないかと考える.何故,今この副題の表現が用いられ,そしてこのジレンマの背景は何か?さらには,このジレンマを解決する糸口は何か?を検討する材料を提示していきたい.
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