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ここ数年来,医学,看護の領域では,EBM(evidence based medicine)あるいはEBHC(evidence based health care)というような言葉が頻繁に唱えられ,これが今後の医療サービスの提供の仕方の一つの原則になりつつある.つまり医療やケアが思いつきや行き当たりばったりの取り組みではなく,何らかの根拠に基づき,見通しを持った働きかけになっていなければならないというのである.これは,高騰する医療費の歳出が医療におけるサービスの経済性,有効性,合理性を強く求めるようになってきたという社会情勢とも関係するが,それよりも医療におけるサービスの供給者(医療人)と消費者(患者)の本来的な関係を求める人々の,医療に対するニーズや理想がそこにある.つまりサービスの提供者にその根拠の提示が義務づけられると,サービスの質が飛躍的に高まるものと考えられるし,またそのことによって消費者がサービスを選択できるようになるからである.
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