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作業療法は医学モデルを離れて人間学モデルへ移行すべきだ,と言われるようになって久しい.このことを初めにはっきりと主張したのは1960年代のReillyであるが,しかしこの考えが多くの共鳴者,後継者を得るまでにはその後長い道のりが必要だった.1960年代にわが国に輸入された作業療法は,まぎれもなく医療技術に位置づけられているものであった.
1980年代は日本国民が,高齢化社会への突入を強く意識しはじめた時代である.つまり,作業療法に対する社会需要と作業療法士自身の意識が変化しはじめた.「作業療法の“核”を問う」というテーマが,何回となく学会シンポジウムに登場したのはこの頃のことである.同じ頃Kielhofnerの人間作業モデルが登場し,少し下っては南カリフォルニア大学グループが,作業科学という新学問領域を主張しはじめた.
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