Japanese
English
◆研究と報告
音声やシンボルを利用したコミュニケーション・エイドの開発—筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者と重症心身障害児(者)について
Development of Communication Aids with Voice and Symbols : for an Amyotrophic Lateral Sclerosis Patient and Severely Multiple Handicapped Child
田中 勇次郎
1
,
島村 治伊
2
,
田中 節子
3
,
広瀬 美由己
3
Yujiro Tanaka
1
,
Harutada Simamura
2
,
Setuko Tanaka
3
,
Miyuki Hirose
3
1都立府中病院
2都立大久保病院
3都立府中療育センター
1Tokyo Metropolitan Fuchu Hospital
2Tokyo Metropolitan Okubo Hospital
3Metropolitan Medical Center of the Severely Handicapped
キーワード:
コミュニケーション・エイド
,
ALS
,
重症心身障害児(者)
Keyword:
コミュニケーション・エイド
,
ALS
,
重症心身障害児(者)
pp.202-210
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:市販のコミュニケーション・エイドでは対応が不可能な,病状が進行し眼瞼が閉じたままとなったALSの症例と,文字や言葉によるコミュニケーションが取れず,シンボルボードを利用して,yes/noを聞き手の推測で判断されていた重症心身障害児(者)の症例に対して,自発的なコミュニケーション手段の獲得を目指し,パソコンを利用してコミュニケーション・エイドの開発を行った.ALSの症例には,通常ナース等とのコミュニケーションに利用している,文字盤を使った方法に近い形で,全く視覚に頼らずに音声を介して操作できるものを作製した.重症心身障害児(者)の症例には,STで指導していたザ・サウンズ・アンド・シンボルズのシンボルボードをパソコンに取り込み,その画面上を音声案内を伴ってカーソルが自動走査する方式のものを作製した.操作方法は1点入力スイッチ制御で,ALSの症例は,ナースコールとして使用していたタッチセンサーを使い,重症心身障害児(者)の症例はカセットケースに入れたマイクロスイッチを利用した.
これらのソフトウエアーの概略と,症例への使用経過を紹介し,個々のケースに対応した,コミュニケーション・エイドの必要性を考察した.
Copyright © 1994, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.