Japanese
English
◆ケーススタディ
視空間性知覚障害を伴った一症例の作業療法
A Case Study of Occupational Therapy in a Patient with Visuospatial Perceptual Disorder
清水 順市
1
,
下坂 充
2
,
上條 一晃
2
,
高橋 紳一
2
,
平林 秀光
3
Jun-ichi Shimizu
1
,
Mitsuru Shimosaka
2
,
Kazuaki Kamijo
2
,
Shin-ichi Takahashi
2
,
Hidemitu Hirabayashi
3
1信州大学医療技術短期大学部
2信州大学医学部附属病院リハ部
3長野県がん検診・救急センター
1School of Allied Medical Science, Shinshu University
2Department of Rehabilitation, School of Medicine, Shinshu University
3Nagano Prefectural Institute for Emergency and Detection of Cancer
キーワード:
視空間性知覚障害
,
Balint症候群
,
作業療法
,
ADL障害
Keyword:
視空間性知覚障害
,
Balint症候群
,
作業療法
,
ADL障害
pp.132-137
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
要旨:45歳,女性.右利き.多発性脳梗塞後に後頭葉・頭頂葉の機能低下症状である視空間性知覚障害を呈した.その中でも視覚失調,視覚性注意障害,精神性注視麻痺の三徴候を示すBalint症候群の症状が著明で,ADLの自立に支障をきたしていた.そこで,作業療法ではADLの自立を目標にあげ,視覚情報の活用と,視野から外れた場合は手で触れて正確に感じとるように体性感覚を積極的に利用させた.その上,同じことを何回も繰り返して覚えさせるという動作学習の方法を用いた.
その結果,食事動作が自立し,排泄動作,歩行が監視下で可能になった。しかし,高次脳機能の著名な改善はなく,Balint症候群の症状を呈したままであった.
Copyright © 1989, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.