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当教室は,1944年に設立された東北大学医学部付属鳴子病院の温泉医学研究施設に端を発し,リハビリテーション医学研究施設を経て,1994年に東北大学医学部付属病院に統合される際に,わが国初の診療科である内部障害リハビリテーション科として設置された.内部障害の対象疾患は,心大血管疾患(虚血性心疾患,心不全,大動脈疾患,末梢動脈疾患,補助人工心臓など),呼吸器疾患(COPD,間質性肺炎,肺移植など),腎不全,肝疾患,糖尿病,がん,廃用症候群など多疾患にわたり,当教室ではそれらの患者に対するリハビリテーション医療を中心に臨床を行っている.内部障害の身体障害者手帳所持者数は,2011年の93万人から2016年には約124万人と5年間で31万人増加しており,構成割合も視覚障害,聴覚・言語障害,肢体不自由がほぼ横ばいであるのに対して,内部障害は増加している1).この原因の1つが高齢化であるため,今後も本邦での内部障害者の増加は続いていくと予想される.また,高齢化によって重複障害という新たな課題に直面し,重複障害のリハビリテーション医療への関心が高まってきている.特に内部障害の重複や内部障害と肢体不自由の合併が多い.このような状況でわれわれはリハビリテーション医学の発展のため,臨床のみならず,研究と医学生への教育を日々実践している.
当教室では,代々基礎研究として長期的運動の臓器保護効果を検討するために,心疾患や腎疾患などの各種モデルラットに対するトレッドミル運動の研究を行ってきた.臨床研究では,心疾患,呼吸器疾患,腎疾患,肥満,認知症などさまざまな疾患について,他大学・他施設と連携して数多く行ってきた.また,当教室の特徴としては,留学生が多いことが挙げられ,これまでのべ約50名の留学生が卒業し,当教室より羽ばたいて世界で活躍している.
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