第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《パネルディスカッション》内部障害リハビリテーションの実学-心臓・腎臓・呼吸-―座長/上月 正博・上好 昭孝
内部障害者の実態とリハビリテーションエビデンス
上月 正博
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1東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野
pp.157-163
発行日 2008年3月18日
Published Date 2008/3/18
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はじめに
身体障害者の分類は,視覚障害,聴覚言語障害,肢体不自由,内部障害に分類される.わが国の身体障害者福祉法では,現在のところ,「内部障害」を心臓機能障害,腎臓機能障害,呼吸機能障害,膀胱・直腸機能障害,小腸機能障害,ヒト免疫不全ウィルスによる免疫機能障害の6つと規定している.
近年,全国の身体障害者に占める内部障害者数の割合は急増している.内部障害者に対するリハビリテーション(以下,リハ)が盛んになるとともに,内部疾患のリハは飛躍的に進歩した.特に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)や心筋梗塞などの呼吸・循環障害のリハが極めて有効であることが証明され,従来,いわば付加的な手段として考えられてきた呼吸・循環障害のリハが,「とても有効な治療」の1つとしても重要な位置を占めるようになり,ガイドラインにも明記されるようになった.ここでは,内部障害者の実態を述べ,さらに内部障害の中でも,患者が多い3大機能障害である心臓機能障害・呼吸器機能障害・腎臓障害に対するリハエビデンスについて述べる.
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