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特集 糖尿病のリハビリテーション医療—合併症対策と最新治療—
5 糖尿病性腎臓病のリハビリテーション医療
Rehabilitation Medicine for Diabetic Kidney Disease
三浦 平寛
1
,
伊藤 修
2
Takahiro Miura
1
,
Osamu Ito
2
1東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野
2東北医科薬科大学医学部リハビリテーション学
キーワード:
糖尿病
,
糖尿病性腎臓病
,
腎不全
,
腎臓リハビリテーション
,
ガイドライン
Keyword:
糖尿病
,
糖尿病性腎臓病
,
腎不全
,
腎臓リハビリテーション
,
ガイドライン
pp.1215-1221
発行日 2022年12月18日
Published Date 2022/12/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨 糖尿病性腎臓病(DKD)は,典型的な糖尿病性腎症(DN)に加えて,顕性アルブミン尿を伴わないまま糸球体濾過量(GFR)が低下する非典型的な糖尿病関連腎疾患を含む概念である.治療戦略としては血糖コントロールを主軸に血圧や脂質異常のコントロール,食事・運動などの生活習慣改善というようにDNと変わりはない.本邦では,人口の高齢化,糖尿病罹患率の上昇,透析療法の進歩や合併症治療の進歩による延命効果によって,DKD患者は年々増加すると考えられる.糖尿病患者では,心肺機能,運動耐容能,血管内皮機能などの低下をきたしており,慢性腎臓病(CKD)患者では,体液異常,貧血,血行動態異常などの合併によって心機能が低下し,長期間の安静による廃用やタンパクエネルギーの低下とあいまってサルコペニアが進行し,運動耐容能が低下している.そのため糖尿病とCKDの合併は,さらなる心血管系合併症を増加させ,QOL(quality of life)や生命予後の悪化を招くと考えられる.DKD治療においてはその進行を防ぎ透析導入への進展を遅らせることが重要であり,その治療の1つとして運動療法の効果が期待される.
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