連載 リハビリテーション医学研究のこれから
日常診療から産み出す臨床研究—不活発への対応
加藤 真介
1,2
,
佐藤 紀
1
1徳島大学病院リハビリテーション部
2徳島赤十字ひのみね総合療育センター
pp.74-75
発行日 2022年1月18日
Published Date 2022/1/18
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不活発への対応にはリハビリテーション医療が中心的な役割を果たしている.本稿では,不活発に関連する転倒や悪性腫瘍に関係した主には日常診療から得られたデータをもとにしたわれわれの臨床研究を紹介する.
転倒を主な原因とする高齢者の不全頚髄損傷が増加していることが知られているが,正確な発生状況は不明であった.そこでわれわれは,日本脊髄障害医学会の疫学調査の一環として1990年代初頭と同じ,初期治療を行う県内のすべての病院への簡単な調査票の郵送という手法で調査した.徳島県は小県であり,すべての病院と臨床面で密接に連携しており高い回答率が得られた.その結果,脊髄損傷が実数で人口100万人あたり年間120例程度発生していることが明らかとなった1).この頻度は,後の全国調査と大きく乖離しているが,その要因は解明できていない2).
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