Japanese
English
特集 内部障害
いわゆる内部障害のリハビリテーション
Rehabilitation of So-called Internal Disability
砂原 茂一
1
Shigeichi SUNAHARA
1
1国立療養所東京病院
1Tokyo National Chest Hospital.
pp.431-435
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102883
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Ⅰ.内部障害ということば
内部障害というのはおそらく日本でだけ用いられている言葉であろう.“内部”というのは多分“外からは見えない”ということであろうから英語のinvisible impairmentという成語と大体一致しそうであるが,同時に“内臓の”というニュアンスも含んでいそうなのでWHOの国際障害分類案のvisceral impairmentにあてることもできそうである.筆者は年金関係や身障法関係の障害認定の仕事とは随分長いおつき合いだが,筆者の記憶のかぎりでは年金法関係の作業の場では個別的な内臓の障害を取り上げてもそれを内部障害という概念でしめくくったという記憶はないからどうも身障法の作業の中から生れた言葉でないかと思われるが何時,誰が提案したのか筆者ははっきり記憶していないのである.
外から見えないと言っても呼吸機能障害者や心臓機能障害者は国鉄の駅の階段を上らせて見たり,少し走らせて見ればすぐ外から分るはずである.昔筆者は肺切除術や胸部成形術を施して肺機能障害に陥った結核患者に“街を歩いていてスリに財布をすられても逃げるスリを追っかけてはいけない.まてまてと叫んでゆっくり歩いていなさい”と言ったものだが,スリに出会っても障害が外に現れるわけであるから内部障害と外部障害の境界は暖昧である.
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