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実践講座 高度肥満症患者のリハビリテーション治療・5
高度肥満症患者の呼吸障害とリハビリテーション治療
Respiratory disorder and rehabilitation of morbid obesity disease
三浦 平寛
1
Takahiro Miura
1
1東北大学大学院医学系研究科臨床障害学分野
1Department of Rehabilitation Medicine, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
高度肥満症
,
睡眠時無呼吸症候群
,
肥満低換気症候群
,
気管支喘息
,
心肺運動負荷試験
Keyword:
高度肥満症
,
睡眠時無呼吸症候群
,
肥満低換気症候群
,
気管支喘息
,
心肺運動負荷試験
pp.1197-1203
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203264
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肥満とは,脂肪組織が過剰に蓄積しており,体格指数〔body mass index:BMI=体重(kg)/身長(m)2≧25〕の状態を指す.このうちBMI≧35(≧肥満3度)を高度肥満と定義している.肥満と定義されたもの(BMI≧25)のうち,「肥満症の診断に必要な健康障害」を合併している場合に肥満症と診断されるが,この健康障害のなかに「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)・肥満低換気症候群(obesity hypoventilation syndrome:OHS)」が含まれている.また,肥満症の診断には含めないが,肥満に起因ないし関連する呼吸器関連の健康障害として「気管支喘息」がある.
肥満症診療ガイドライン1)において,「高度肥満では心不全,呼吸不全,静脈血栓,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,肥満低換気症候群,運動器疾患の合併に注意する(エビデンスレベルⅠ)」と記載され,高度肥満症において呼吸障害は重要な位置づけとなっている.本稿では,まず高度肥満症患者における呼吸障害について概説し,減量方法,運動療法の効果と実際,注意点などについて述べる.
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