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教育講座
宇宙医学から学ぶコロナ時代のロコモ対策—運動器廃用予防の重要性
Countermeasures of Locomotive Syndrome Learned from Space Medicine : Importance of Prevention of Disuse Atrophy of the Musculoskeletal System
志波 直人
1
Naoto Shiba
1
1久留米大学医学部整形外科学教室
キーワード:
宇宙医学
,
ロコモティブシンドローム
,
運動器
,
廃用
,
マイオカイン
Keyword:
宇宙医学
,
ロコモティブシンドローム
,
運動器
,
廃用
,
マイオカイン
pp.1413-1420
発行日 2021年12月18日
Published Date 2021/12/18
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はじめに
2019年から発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界で猛威を振るい,本邦においても2020年から急激な広がりをみせた.感染の有無にかかわらずコロナ禍では自粛生活を余儀なくされ,活動性低下に起因する運動器廃用によるロコモティブシンドローム(ロコモ)の発症や増悪が懸念されている.
加齢により,筋肉や骨は1年間におおよそ1%萎縮するが,ベッドレストなどの活動性低下による廃用では,部位による差はあるものの,筋は1〜2日で1%1),骨は1カ月で1%程度萎縮する2).老化よりも速やかに筋骨格系は廃用性変化をきたすため,活動性の維持,運動の継続は,筋骨格系の廃用予防,ひいてはロコモ,サルコペニア,フレイルの予防に重要である3).宇宙飛行士は無重力により,筋骨格系への力学的負荷が著しく減少するため,より顕著な筋骨格系の廃用が発生するが3),その発生や予防には臨床との共通点がある4, 5).
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