Japanese
English
教育講座
子どもの運動器疾患とロコモティブシンドローム予防—体を動かすことの大切さ
Locomotive Organ Disorder in Children and Prevention of Locomotive Syndrome
帖佐 悦男
1
Etsuo Chosa
1
1宮崎大学医学部整形外科・リハビリテーション科
キーワード:
運動器
,
ロコモティブシンドローム
,
運動
,
リハビリテーション医療
Keyword:
運動器
,
ロコモティブシンドローム
,
運動
,
リハビリテーション医療
pp.925-932
発行日 2021年8月18日
Published Date 2021/8/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
子どもの運動器疾患の特徴は,出生時に発見される疾患と成長に伴い遭遇する疾患があり,早期発見により保存療法や低侵襲の治療法で治癒できる可能性が高いことである.したがって,股関節などを重点的にスクリーニングする乳幼児運動器検診や児童・生徒などの運動器検診は,早期発見のために必要不可欠である.多くの運動器疾患は,診療の基本である予防,早期発見・早期治療により予防できることも特徴の1つであるため,将来のロコモティブシンドローム(ロコモ)予備軍にならないよう努める必要がある.また,現代の児童・生徒の健康に関する問題の1つに,運動不足に伴う肥満・生活習慣病の増加と,運動過多に伴う四肢・脊柱のスポーツ傷害の増加という二極化現象が挙げられる1).さらに,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防のため,長期にわたる外出制限や休校が児童・生徒の体ならびに心の健康に悪影響を及ぼしている.直接影響を受ける運動器ではこれらが深刻な問題となっており,将来的なロコモやメタボリックシンドローム(メタボ)が懸念されている(図1).本稿では,代表的な子どもの運動器疾患とロコモ予防の必要性について概説する.
Copyright © 2021, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.