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特集 宇宙医学とリハビリテーション
筋力低下に対する軌道上ヒト対象研究
Human research for muscle weakness on orbit
志波 直人
1
Naoto Shiba
1
1久留米大学医学部整形外科学講座
1Department of Orthopaedic Surgery, Kurume University School of Medicine
キーワード:
宇宙医学
,
筋骨格
,
廃用
Keyword:
宇宙医学
,
筋骨格
,
廃用
pp.621-626
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200289
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はじめに
宇宙に長期滞在する宇宙飛行士の筋肉や骨は,われわれが臨床で経験するよりもさらに著しい廃用萎縮を来すことが知られている1-3).これは,宇宙飛行士の身体が宇宙環境に適応して起こる生理的適応現象である.程度の差こそあれ,宇宙での無重力環境により起こるこのような筋骨格系の変化は,臨床で経験する廃用症候群と共通する点が多い.このため,宇宙飛行士の健康管理は臨床との共通点も多く,われわれの日常診療やリハビリテーションにもつながるものである.国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)ではその特殊な環境を利用して筋骨格系の廃用予防実験が実施されている4,5).宇宙医学と臨床医学の両者の研究の相互フィードバックや同時進行が期待されており,われわれのハイブリッドトレーニングの研究もその一環として行われている6-11).
本稿では,われわれの宇宙医学実験の開始からISS実験実施までの経験をもとに,宇宙環境でのリハビリテーション医学実験の実際について述べる.
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