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教育講座
高次脳機能障害者の就労支援を考える
On Employment Support for People with Higher Brain Dysfunction
岡﨑 哲也
1
Tetsuya Okazaki
1
1博愛会病院リハビリテーション科
キーワード:
高次脳機能障害
,
就労支援
,
職場復帰
,
職業準備性
,
就労定着支援
Keyword:
高次脳機能障害
,
就労支援
,
職場復帰
,
職業準備性
,
就労定着支援
pp.329-333
発行日 2020年4月17日
Published Date 2020/4/17
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
脳損傷の後遺症としてみられる高次脳機能障害は,しばしば職場復帰を困難にする.いわゆる行政的な高次脳機能障害1)に対しては2001年度からの高次脳機能障害支援モデル事業(以下,モデル事業)に続く高次脳機能障害支援普及事業(以下,普及事業)において診断・治療・社会復帰のための支援体制が整えられてきた.モデル事業開始後間もない2002年時点における北部九州を主とする患者会への調査報告では,外傷性脳損傷者の多くが日常生活は自立しているにもかかわらず,社会参加に至らない状況が明らかとなっている.その要因として,高次脳機能障害によるもの,特に対人関係の拙劣さが大きいことが示唆された2).その後2006年に行われた調査ではモデル事業によって就労その他の社会参加が促進され,公的な障害認定が増加していた3).また,高次脳機能障害の障害認定は精神障害として取り扱われるが,2018年の障害者雇用促進法の改正によって新たに精神障害者が法定雇用率の算定基礎の対象に追加された.このように行政施策からも高次脳機能障害者の就労支援が図られ,一定の成果を認めている.しかし,その支援が質・量とも十分に行きわたっているとはいえないのが現状である.
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