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教育講座
小児希少疾患のリハビリテーション診療
Rehabilitation Medicine for Pediatric Patients with Rare Diseases
芳賀 信彦
1
Nobuhiko Haga
1
1東京大学大学院医学系研究科リハビリテーション医学
キーワード:
希少疾患
,
指定難病
,
小児慢性特定疾病
,
先天性無痛無汗症
,
進行性骨化性線維異形成症
Keyword:
希少疾患
,
指定難病
,
小児慢性特定疾病
,
先天性無痛無汗症
,
進行性骨化性線維異形成症
pp.334-339
発行日 2020年4月17日
Published Date 2020/4/17
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はじめに
小児希少疾患に明確な定義はないが,日本では関係する制度として,指定難病と小児慢性特定疾病がある.指定難病は2014年に制定された「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づくもので,患者数が日本において一定の人数(人口のおおむね0.1%)に達しないことと,客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立していることが条件に挙げられ,2020年1月現在,333疾患が指定を受けている.小児慢性特定疾病は児童福祉法(2014年に改正)を根拠法とし,選定の条件には,①慢性に経過する疾病であること,②生命を長期に脅かす疾病であること,③症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること,④長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること,が挙げられ,2020年1月現在,16疾患群762疾患が対象となっている.
このように小児希少難病の種類は非常に多いが,そのリハビリテーション診療は確立されていない.これには,個々の疾患の患者数が少ないことだけでなく,病態や自然経過が明らかになっていないことが関係している.本総説では筆者が長年にわたり診療にたずさわる2つの疾患(いずれも指定難病かつ小児慢性特定疾病)について,疾患の概要,障害像,リハビリテーション診療について概説する.
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