リハニュース【Topics】
リハビリテーション科医不足を改善するために早急な教育面での充実が必要—初学者も有資格者も学びたいときに学べる均てん化した環境づくりを
久保 俊一
1,2
1日本リハビリテーション医学会
2日本リハビリテーション医学教育推進機構
pp.249-250
発行日 2019年3月18日
Published Date 2019/3/18
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- 文献概要
リハビリテーション科医が不足する社会的背景
日本の少子高齢化は急速に進み,人類の歴史の中で経験したことのない超高齢社会の最先端を走っています.これに伴ってリハビリテーション医学・医療へのニーズは急速に高まっています.厚生労働省の「必要医師数実態調査」(2010年)では医師が約18,000人不足しており,そのうち最も不足しているのがリハビリテーション科医でした.日本リハビリテーション医学会でもこの状況を改善するために,会員の先生方にもご尽力いただき,リハビリテーション科医の数は2015年には2,000人を超えましたが,まだ必要数からは大幅に不足しています.健康寿命と平均寿命の間に,男性では約9年,女性では約13年の差があり,自立度の低下,寝たきりなどの要支援・要介護状態になることも影響しています.
それだけでなく,さまざまな疾患,障害,病態などにより低下した身体機能と能力を回復し,残存した障害や不利益を克服するために,人々の活動を育む医学分野としてのニーズも高まっていることも影響しています.これに伴い,リハビリテーション医学・医療が対象とする疾患や障害は,運動器障害,脳血管障害,循環器や呼吸器などの内部障害,摂食嚥下障害,小児疾患,がんなど幅広い領域に及んでいます.このように,リハビリテーション医学・医療に対する社会の期待はきわめて大きいものがあります.
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