連載 古今東西 見逃せない研究論文・書籍・第7回
The Forty-five-Degree Posteroanterior Flexion Weight-Bearing Radiograph of the Knee—Rosenberg TD, et al:J Bone Joint Surg Am 1988;70:1479-1483
片岡 晶志
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1大分大学福祉健康科学部
pp.605
発行日 2018年7月18日
Published Date 2018/7/18
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- 文献概要
■ 意義
変形性膝関節症(膝OA)を診療するうえで必須ともいえるローゼンバーグ撮影を提唱した論文である.最近報告されたROAD studyの結果から,40歳以上を対象とすると,膝OAの有病率は男性42.6%,女性62.4%であり,X線で診断される膝OAの有病者数は2,530万人(男性860万人,女性1,670万人)とされている.しかしながら,一次性のものが多く,原因は不明である場合が多い.膝OAの補助診断として,通常の臥位でのX線像(Xp)に立位正面のXpを加えて撮影することが多い.しかしながら,立位正面で撮影する方法に比較して,45°の膝屈曲位での立位で撮影する方法が,関節軟骨摩耗をより顕著に表すことをローゼンバーグらは報告した(ローゼンバーグ撮影).正常であれば内側は4mm以上,外側は5mm以上の関節裂隙がみられるが,ローゼンバーグ撮影で内側関節裂隙が1〜2mmであれば,かなり進行した膝OAであると結論づけた.
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