連載 古今東西 見逃せない研究論文・書籍・第19回
The Major Determinants in Normal and Pathological Gait : Saunders JB, Inman VT, Eberhart HD:J Bone Joint Surg Am 1953;35:543-558
宮野 佐年
1,2
1総合東京病院リハビリテーション科
2日本リハビリテーション医学会
pp.661
発行日 2019年8月16日
Published Date 2019/8/16
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- 文献概要
■ 意義
歩行とはヒトがある地点から他の地点へ移動することである.ヒトの二足歩行は非常に複雑な現象であるが,ヒトの重心移動の軌跡で表すと理解しやすい.
ヒトの重心は足底から身長の55%上の第二仙椎前方の身体の左右の中心に位置する.ヒトの二足歩行を膝や足関節のないコンパス歩行と比較することによって,ヒトの二足歩行の重心移動がいかに少なく,円滑にサインカーブを描いているかが理解できる.そして,エネルギー消費が最も少なく,関節や筋の負担が最も少ない歩行が正常歩行であり,病的歩行はエネルギー消費が多くなり,関節や筋の負担が多くなるので,できるだけ正常歩行に近づけることが重要である.
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