Japanese
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教育講座
リハビリテーション医療における認知症治療の意義
Importance of Therapy for Dementia in Rehabilitation Medicine
川北 慎一郎
1
Shinichirou Kawakita
1
1恵寿総合病院リハビリテーション科
キーワード:
認知症病型
,
転倒・骨折
,
摂食・嚥下障害
,
レビー小体型認知症
,
抗認知症薬
Keyword:
認知症病型
,
転倒・骨折
,
摂食・嚥下障害
,
レビー小体型認知症
,
抗認知症薬
pp.793-798
発行日 2017年10月18日
Published Date 2017/10/18
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はじめに
近年,リハビリテーションを依頼される入院患者も高齢化しており,認知症を合併する比率も高くなっている.当院は47床の回復期リハビリテーション病棟をもつ428床の総合病院だが,最近入院患者の平均年齢は70歳を超えており,月200例以上ある入院リハビリテーション依頼患者にも約42%に認知症が認められる.1年間の入院脳卒中190例の平均年齢は75歳,大腿骨近位部骨折・脊椎圧迫骨折170例では80歳,誤嚥性肺炎160例では85歳であり,それぞれの約40%,50%,70%に認知症の合併がみられる(表1).認知症患者のリハビリテーションでは,activities of daily living(ADL)向上,自宅退院を妨げる要因が認知症であることも多い.病型としてアルツハイマー型認知症(AD)が最も多いが,血管性認知症(VaD)やレビー小体型認知症(DLB)もみられる.リハビリテーション処方後にリハビリテーション科医により認知症が診断,治療される症例も増加している.今後リハビリテーション科医には,リハビリテーション訓練が効果的に実施され,期待されるリハビリテーション効果を得るために,認知症患者の病態把握とそれに応じた対応や投薬指示なども求められると思われる.本稿では,転倒・骨折や摂食・嚥下障害リハビリテーション症例などを提示して,リハビリテーション医療における認知症治療の意義につき述べる.
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