特集 “認知症+併存疾患” アプローチの最前線
認知症診療の一般方針
薬物療法
藤戸 良子
1
,
數井 裕光
1
1高知大学 医学部神経精神科学講座
キーワード:
認知症の行動・心理症状(BPSD)
,
コリンエステラーゼ阻害薬
,
memantine
,
抗認知症薬
Keyword:
認知症の行動・心理症状(BPSD)
,
コリンエステラーゼ阻害薬
,
memantine
,
抗認知症薬
pp.1287-1290
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1287
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Summary
▪認知症に対する薬物療法は,必要性を慎重に検討したうえで開始する.
▪認知症の行動・心理症状(BPSD)の治療は,薬物療法よりも非薬物療法を優先して考慮すべきである.
▪各種薬剤の特色や副作用について熟知したうえで,患者の忍容性や病期に合わせて治療薬を選択する.
▪Alzheimer型認知症(AD)治療薬として承認されているのはコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)3剤とNMDA受容体拮抗薬1剤の4剤である.
▪Lewy小体型認知症(DLB)の認知機能障害に有効性が示されているのは,donepezil(保険適用あり)とrivastigmine(保険適用外)である.
▪血管性認知症(VaD)に対しては4剤の抗認知症薬の有効性が示されている(保険適用外).
▪前頭側頭葉型認知症(FTD)に対しては,薬物療法の十分なエビデンスは少なく,非薬物療法が優先される.
© Nankodo Co., Ltd., 2022