特集 既存のガイドラインを透析患者にどう活用するか
14.認知症
鶴屋 和彦
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
認知症疾患診療ガイドライン
,
せん妄
,
血管性認知症
,
抗認知症薬
,
透析の見合わせ
Keyword:
認知症疾患診療ガイドライン
,
せん妄
,
血管性認知症
,
抗認知症薬
,
透析の見合わせ
pp.1091-1100
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000995
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2017 年に改訂された「認知症疾患診療ガイドライン2017」では,認知症の診断,治療から社会制度まで診療全般について詳細に記載されたが,透析患者に関する記載は乏しかった.透析患者では認知症の診断において,まず尿毒症や不均衡症候群,薬剤性,電解質異常などによるせん妄を鑑別することが重要である.また,透析患者では抗認知症薬の安易な使用は控えるべきである.実臨床における認知症対策としては,血管性因子や非血管性因子への対策が重要である.一方,高齢認知症患者の増加に伴い透析の見合わせに関する環境整備が必要と思われ,2014年に策定された「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」がどのように改訂されるかが注目される.
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