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教育講座
障害者の自動車運転再開の流れ・注意点・可能性
The Procedure, Attention Point and Possibility of the Driving Resumption in the Disabled
武原 格
1
Itaru Takehara
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
キーワード:
脳卒中
,
脊髄損傷
,
てんかん
,
薬剤
,
運転
Keyword:
脳卒中
,
脊髄損傷
,
てんかん
,
薬剤
,
運転
pp.377-382
発行日 2017年5月18日
Published Date 2017/5/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
障害者が,リハビリテーション後在宅復帰あるいは社会復帰を行う際,自動車運転を必要とすることも少なくない.しかし,疾患によっては身体障害のみでなく,注意障害,記銘力障害,半側空間無視などの高次脳機能障害を生じる.また,てんかんや,治療に必要な薬剤による運転への影響も考慮すべきである.そのため,ここ数年リハビリテーション医学の領域において,障害者の自動車運転再開をどのように支援すべきかについて注目を集めるようになってきた.リハビリテーション領域においては,障害者の自動車運転再開を安易に許可するでも,中止させるのでもない.どの程度の障害までなら健常者と遜色なく安全運転が可能なのかを模索し,運転再開までの社会的手続きを踏み,必要に応じ自動車改造や教習所での運転練習を検討する.
しかし,この領域はまだまだ医学的,社会的に不明瞭な部分が多い.疾病や障害についてもとても範囲が広く,すべてを網羅することは困難である.そのため,今回,筆者がこれまで中心的に活動してきた脳卒中患者の自動車運転再開に加え,リハビリテーション領域で重要となるてんかんや脊髄損傷,認知症に加え,薬剤と運転の関係について解説する.認知症に関しては,高齢運転者の運転免許更新手続きが改正され2017年3月12日より施行されるため,新しい制度について解説する.
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