Japanese
English
入門講座 てんかんとリハビリテーション・3
自動車運転
Epilepsy and rehabilitation: car driving
大谷 啓介
1
,
川合 謙介
1
Keisuke Ohtani
1
,
Kensuke Kawai
1
1自治医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Jichi Medical University
キーワード:
自動車運転
,
てんかん
Keyword:
自動車運転
,
てんかん
pp.271-278
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203068
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自動車の運転について,道路交通法(以下,道交法)第六十六条には「何人も,(中略)過労,病気,薬物の影響その他の理由により,正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と規定されている.しかし,2001年の道交法改正でてんかんを含む一定の疾患の患者は相対的欠格事由へと改訂され,適切な治療を受けることで,安全な運転操作に支障となる症状が現れなければ,自動車運転は可能であることとされた.
このなかで,運転免許が許可されない,もしくは保留される可能性のある一定の疾患として,統合失調症,てんかん,再発性の失神,無自覚性の低血糖症,躁うつ病,重度の眠気の症状を呈する睡眠障害,その他の精神障害,脳卒中(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血,一過性脳虚血発作など),認知症,アルコール,麻薬,大麻,あへん又は覚醒剤の中毒者が挙げられている.警察庁運転免許課の通達(警察庁丁運発第68号)においてこれらの個別の疾患についての自動車運転免許に関する取り決めがなされており,疾病によって取り扱いが異なる.例えば認知症のように,診断されれば事実上運転免許が取得できない疾患から,運転補助装置を付けるように改造することによって,免許の条件が満たされるもの,医師の診断書と適性検査の結果により与えられるものなどがある.
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