Japanese
English
教育講座
がんのリハビリテーション トピックス—“prehabilitation”,骨転移
Topics in Cancer Rehabilitation
大森 まいこ
1
Maiko Omori
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
がん
,
周術期リハ
,
prehabilitation
,
骨転移
,
リスク管理
Keyword:
がん
,
周術期リハ
,
prehabilitation
,
骨転移
,
リスク管理
pp.36-45
発行日 2017年1月18日
Published Date 2017/1/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
国立がん研究センターが公表した最新のがん5年生存率の全国推計値は,62.1%である(2006年〜2008年集計)1).5年生存率は毎回集計のたびに高くなっており,これはがんと診断されてからその後生きて生活していく人の数が増えているということを示している.
“がんと共存”していく現代において,近年,がんを治す(短期的な合併症発症や死亡率低下)という視点に加えて,機能障害,心理面へのアプローチや日常生活,社会への復帰といった長期的・患者中心的な視点ももたれるようになってきた.
そのような中で,がんそのものやがん治療によって生じるさまざまな障害に対してアプローチするリハビリテーション(以下,リハ)の重要性も広く認識されるようになってきた.リハでは,機能改善やADL向上,症状緩和,心理的サポートなどを図ることによって患者QOLの向上を目指すが,それだけでなく,身体機能を改善することで治療選択肢が広がったり,生存期間が延長したりという可能性についても示唆されている.
がん医療の一つの柱として,リハが重要な役割をもつ場面は多いが,その中でエビデンスやシステムの確立など,注目されているトピックス,“cancer prehabilitation”と骨転移について,今後の課題も含めてまとめる.
Copyright © 2017, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.