Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 『骨転移診療ガイドライン』の改訂のポイントは?
2022年12月に『骨転移診療ガイドライン(改訂第2版)』が出版された 1).ページ数は73ページから141ページに倍増し,第1版で26項目であったClinical Question(CQ)は,Background Question(BQ),Future Research Question(FRQ)を含めた41項目に増えた.そして,作成委員は整形外科医が5名から10名に,リハビリテーション科医が1名から2名に増え,整形外科治療やリハビリテーション治療にかかわるCQが大幅に増加した.用語解説も倍増し,"がんロコモ"や"Performance Status(PS)"の考え方についても解説されている.
Q2 『骨転移診療ガイドライン』でのリハビリテーションの位置づけと,多職種アプローチの重要性は?
エビデンスレベルが高い論文は少ないが,がん患者では,骨転移の有無にかかわらず原則としてすべての患者にリハビリテ-ション治療の適応があると考えるべきである.
骨転移がある患者では多様な全身症状が併存しており,骨折や麻痺のリスクもある.また,症状の訴えもさまざまであり,多職種でリスク管理,ゴール設定等検討する必要がある.
Q3 骨転移カンファレンスの有用性は? 骨転移カンファレンスが行われないときにはどうすればよいか?
骨転移キャンサーボードの目的は,多職種・多診療科による集学的治療を実現し,骨転移診療を標準化することである.集学的治療を実現するためには,患者の生命予後や局所の機能予後,社会的背景を考慮したうえで,メディカルスタッフも含めた各領域の専門家の意見を集約し,治療方法を決定する必要がある.カンファレンスを開かなくても,多職種・多診療科のスタッフで情報共有し,治療方針を相談できる関係を築くことが重要である.
Q4 脊椎転移や下肢長管骨への骨転移のリスク管理と,リハビリテーション中に有害事象が起きる頻度は?
脊椎転移では脊髄圧迫の程度と不安定性を,長管骨では皮質骨への浸潤の範囲を評価し,問題がありそうなら,積極的に整形外科に相談する.骨転移があっても,リハビリテーション治療を安全に行うことができるとの報告が多い.リスクがある患者では,リスクについて説明し,スタッフ間で情報共有することが重要である.

Copyright© 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.