特集 いま知っておきたい がんのリハビリテーション最新 Tips
Ⅱ.がんのリハビリテーション最新 Tips
がん患者の周術期リハビリテーション最新 Tips ~prehabilitationを中心に~
小西 信子
1
Nobuko KONISHI
1
1国立がん研究センター東病院リハビリテーション科/認定理学療法士(呼吸)
pp.624-626
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_624
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日本手術看護学会では「周術期は,術中だけではなく前後の期間を含めた一連の期間」1)としており,周術期リハビリテーション(以下,リハビリ)は術前より行われる.診断から治療前の期間に行われるリハビリをprehabilitation(プレハビリテーション)とよぶ2).昨今,がん患者の高齢化3)やCOVID-19の流行にてフレイル,サルコペニアの有病率は上昇4,5)しており,術前からADL,身体機能が低下している患者が増加している.術前のフレイルやサルコペニアは術後呼吸器合併症の発症6),または入院日数の延長7)につながることが報告されており,“術後に”ではなく,“術前から”ADLの低下や身体機能低下を是正するためにprehabilitationを行い,呼吸器合併症の予防や早期退院を目指す必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2023