連載 高次脳機能障害に対する認知リハビリテーションの技術・第11回
夢を実現へ!—〜高次脳機能障害者の就労支援〜
隂山 友紀
1
,
小野 裕太
1
,
日吉 雄大
1
,
髙田 政幸
1
,
浅倉 恵子
2
,
岩根 美紀
1,3
,
武居 光雄
1,3
1一般社団法人共生の会
2医療法人光心会どんぐりの杜クリニック
3医療法人光心会諏訪の杜病院
キーワード:
高次脳機能障害
,
一般就労
,
就労に必要な基礎的能力
,
障害認識
,
就労支援事業所
Keyword:
高次脳機能障害
,
一般就労
,
就労に必要な基礎的能力
,
障害認識
,
就労支援事業所
pp.866-869
発行日 2016年11月18日
Published Date 2016/11/18
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はじめに
高次脳機能障害は「見えない障害」と言われ,認識されづらい障害であったが,啓発活動により日本国民にも周知されてきた.しかし,高次脳機能障害は症状が多岐にわたり,年齢や生活背景を考慮した個別性のある支援が必要であるにもかかわらず,専門的な包括的支援を担える施設は不足している.
高次脳機能障害者支援の中で,重要な位置を占めるものに就労がある.就労は,日本国民としての義務を果たし,社会の一員である充足感と生涯を通じての役割が獲得でき,生きがいをもって生活を送る根幹だと考えている.しかし,当事者が就労を希望しても就労できるまでの回復には至らず,復職や就職が困難な高次脳機能障害者が多いのが現実である.
渡邉1)は,就労支援において「健康管理」「日常生活管理」「対人技能」「基本的労働習慣」「作業遂行能力」などの基礎的な能力の獲得を一般就労する条件として重要視している.
外傷性くも膜下出血により高次脳機能障害を呈し,就労支援事業所にて就労に必要な基礎的能力を培い,一般就労へ至った症例を経験したので報告する.
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