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Seishin Igaku Volume 67, Issue 3 （March 2025）

精神医学 67巻3号（2025年3月発行）

Japanese English

特集精神疾患患者の就労・復職を支援する

IPS伴走型個別就労支援プログラム—「訓練してから働く」から「働くことを訓練とする」への転換 Individual Placement and Support (IPS) Program for Persons with Mental Illness : A Step Forward from the Train-Place Model to the Place-Train Model 林輝男 ¹ Teruo Hayashi ¹ ¹社会医療法人清和会西川病院 ¹Seiwakai Nishikawa Hospital, Shimane, Japan キーワード：伴走型個別就労支援 , individual placement and support , IPS , 個別支援 , individual support , 障害者就労 , supported employment , 一般就労 , competitive employment Keyword: 伴走型個別就労支援 , individual placement and support , IPS , 個別支援 , individual support , 障害者就労 , supported employment , 一般就労 , competitive employment pp.299-306

発行日 2025年3月15日 Published Date 2025/3/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670030299

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抄録

　集団型訓練を主体とする就労支援が大半を占めるなか，個別支援でまず一般企業に就職し，その後も支援を受けながら真の職場で働くことを訓練とするのがindividual placement and support (IPS）である。IPSの目的は一般就労を通じてリカバリーを応援することであり，parson-centered approachのもと，担当支援員は利用者の希望やストレングスにマッチングする企業を地域で開拓し，就職支援から定着支援，雇用主支援まで一貫した伴走型支援を提供する。20を超えるランダム化比較試験が示すように，IPSは精神障害者の一般就労率を約60%まで向上し（従来型支援の2.5倍），その効果は強いエビデンスを有する。現在，国際的にも障害者就労支援は「集団から個別支援」「作業場から一般企業」への変革が求められており，IPSはそれを実現する最適な解決策となりうるであろう。