Japanese
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研究と報告
脳損傷者に対するself-awareness(自己の気づき)の評価法「日本語版SRSI(Self-Regulation Skills Interview:自己統制能力質問紙)」の作成および信頼性・妥当性の検討
Development of Self-Regulation Skills Interview in Japan:reliability and validity.
宮原 智子
1
,
清水 一
2
,
花岡 秀明
1
,
山根 伸吾
1
,
川原 薫
3
,
森山 喜一郎
4
Tomoko Miyahara
1
,
Hajime Shimizu
2
,
Hideaki Hanaoka
1
,
Shingo Yamane
1
,
Kaoru Kawahara
3
,
Kiichirou Moriyama
4
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科
2広島大学
3広島県立障害者リハビリテーションセンター
4医療法人社団知心会一ノ宮脳神経外科病院
1Graduate School of Biomedical & Health Sciences, Hiroshima University
2Hiroshima University
3Hiroshima Prefectural Rehabilitation Center
4Medical Corporation Chishinkai Ichinomiya Neurosurgery Hospital
キーワード:
障害認識
,
awareness
,
評価
,
高次脳機能障害
,
脳損傷
Keyword:
障害認識
,
awareness
,
評価
,
高次脳機能障害
,
脳損傷
pp.1117-1126
発行日 2012年8月10日
Published Date 2012/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102632
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要旨:〔はじめに〕脳損傷者のself-awareness(自己の気づき)を評価する評価法,日本語版SRSI(Self-Regulation Skills Interview:自己統制能力質問紙)の作成を試みた.原著者の許可を得て翻訳,逆翻訳を行ったうえで日本語版を作成し,信頼性,妥当性を検討した.日本語版SRSIは6つの質問項目からなり,対象者の回答をガイドラインに沿って0~10点で採点する評価法である.〔方法〕信頼性は評価者間信頼性および内的整合性を,妥当性は構成概念妥当性,弁別妥当性,基準関連妥当性,内容的妥当性を検証した.脳損傷の既往がありself-awareness(自己の気づき)の低下がみられる対象者を実験群,脳損傷の既往がない対象者を対照群とし,日本語版SRSIおよび日常記憶チェックリストを実施した.〔結果〕評価者間のκ係数および各成分におけるCronbachのα係数は両者ともに0.80以上と高く,信頼性が確認できた.主成分分析の結果原版と同様の構造が確認でき,先行研究におけるself-awareness(自己の気づき)の概念とも類似していると思われた.実験群と比べ対照群が有意に日本語版SRSIの得点が高かった.日本語版SRSI項目1,2と日常記憶チェックリストとの間に有意な相関が得られた.項目3~6については,今後ほかの評価法と併せて妥当性をさらに検討する必要があると思われた.〔結語〕日本語版SRSIは,信頼性および妥当性を有し,本人の回答内容を直接評価できるself-awareness(自己の気づき)の新たな評価法として有用であると思われる.
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