Japanese
English
研究と報告
高次脳機能障害者の障害認識とその変容過程―当事者の語りから
Awareness of disability and their changing process in patients with higher brain dysfunction:from narrative of patients.
阿部 順子
1
Junko Abe
1
1岐阜医療科学大学
1Gifu University of Medical Science
キーワード:
障害認識
,
高次脳機能障害
,
語り
,
ステージ移行
Keyword:
障害認識
,
高次脳機能障害
,
語り
,
ステージ移行
pp.273-281
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102009
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要旨:高次脳機能障害のリハビリテーションにおいて,リハビリテーションの成功の鍵として「障害認識」が注目されるようになり,その改善に向けた取り組みが試みられるようになった.しかし,障害認識の評価や改善の検証は課題であった.本研究では,名古屋市総合リハビリテーションセンター(以下,名古屋リハ)で訓練を受けて社会復帰した脳外傷者に半構造化面接を行い,高次脳機能障害者の障害認識の様相とその変容過程を明らかにした.障害認識の様相には,従来から知られていた「障害への気づき」と「補償行動」以外に,専門的な第三者によるモニタリングの必要性を意識する「受診の意味づけ」が新たな側面として抽出された.障害認識は受傷からのステージの移行に応じて,救急・一般病院での「現状が把握できない」段階から,認知訓練での「障害を知る」段階を経て,職能訓練で「できるを学び」,社会復帰して「現状を肯定」する段階へと変化していた.
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