連載 訪問看護 時事刻々・147
今月の話題 介護報酬改定に向けて
石田 昌宏
pp.498
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101905
- 有料閲覧
- 文献概要
前回5月号で、街にナースステーションが必要と書いた。東日本大震災の被災地では多くの看護ボランティアが活躍しているが、なかにはこれからの新しい仕組みにつながりそうなやり方で被災者を支えようとしている人たちがいる。被災地の全戸巡回、仮設住宅への訪問看護ステーションの併設、さらにケア付きのセカンドハウスをつくろうという試みなどだ。これらをきっかけに、看護職がその主体性を発揮し、地域住民のいのちと暮らしを支える仕組みができたらうれしい。復旧や復興などを超えて、高齢少子社会にフィットする新しい街をつくるには、そこで生き生きと看護が提供されていることが必要だ。
さて、偶然だろうか、時を同じくして来年度の介護報酬改定に向け、厚生労働省の審議会に日本看護協会から要望書が提出された。そこに、「訪問看護を基盤とした小規模多機能型居宅介護の創設」「『看護職員による居宅療養管理指導』の機能強化」「24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの実効性ある仕組みづくり」などが提案されている。行政用語をつかった独特の言い回しのため一見わかりにくいが、街の中にケアの拠点を置く、予防的な関わりをしやすくする、街の中をラウンドする、などと言えばよいだろう。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.