第51回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 シンポジウム◎最新の活動計測—活動を測る—
歩くを測る:歩行分析の臨床応用
山本 澄子
1
1国際医療福祉大学大学院
pp.42-46
発行日 2015年1月18日
Published Date 2015/1/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
歩行分析の目的
リハビリテーションにおける歩行分析にはいくつかの目的があり,研究から臨床応用まで以下のように分けて考えることができる.
1)介入効果などのエビデンスとなるデータを得る.
2)客観的な計測により疾患別の歩行の特徴を示し,歩行評価の着眼点を明らかにする.
3)ルーチン計測により各対象者の歩行評価を行う.
4)症例検討によって対象者の動きを詳細に分析する.
5)ポイントをしぼった簡易計測をバイオフィードバックに利用する.
これらのうち,1)と2)は多人数の計測が前提で研究論文になりやすい内容であり,3)4)5)は各対象者への臨床応用を目指している.近年は計測器のハードウェアの進歩によって,簡便で精度の高い計測が行われるようになったが,臨床応用についてはデータの解釈や提示方法に多くの課題が残されている.ここではもっとも多くの情報が得られる3次元動作分析を対象に,計測対象を片麻痺者と下肢装具にしぼって最近の動向を述べる.
Copyright © 2015, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.