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はじめに
近年,我が国の糖尿病の罹患者数は,周知のとおり急激に増加してきている.それに伴い,慢性腎不全の罹患者も年々増加してきている.これらの罹患者は,糖尿病性足病変(Diabetic Foot)や末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease:PAD)といった下肢切断のリスクが高い病態を持っているにもかかわらず,足部の創傷を発症させることが,頻繁に見受けられる.これらの罹患者がメジャー切断にいたると,自立歩行を行える確率が切断のレベルにより極端に低くなる(図1).
そのような足の切断の予防や治療を行う上で,糖尿病のコントロール・血流のコントロール・感染のコントロール・荷重のコントロールという4つのコントロールが重要といわれている1)(図2).これらの中の荷重のコントロールに欠かすことのできないものが,フットウェアや装具(以下,フットウェア)による免荷・圧の分散である2).
フットウェアは,予防用や治療中,治癒後(再発予防)に使用するものに分けられる.治療中や治癒後のフットウェアの装着による利点は,患部の免荷・圧の分散を行えることで,早期からのリハビリテーションを行うことができる.これにより廃用症候群の予防ができ,早期の社会復帰が可能となる.また早期の立位や歩行が可能となることによりQuality of Life(QOL)やActivities of Daily Living(ADL)の維持ができ,患者のモチベーションの維持や家族の負担軽減にもつながる3,4).また治癒後の足の創傷の再発率は非常に高く,再発予防(2次予防)は,足の創傷治療に置いて大きな課題でもある.再発のリスクを低下させるためには,アセスメントやフットケア,患者教育などと共にフットウェアが挙げられており,再発予防プログラムとしてフットウェアは欠かすことのできないアイテムの1つである2)(図3).
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